金属材料を塑性変形させると、図5のように材料の形状、組織、格子欠陥の分布などに起因して様々なスケールの不均一なひずみが発生することが知られています。このような不均一変形が材料の降伏、加工硬化、延性破壊といったマクロな現象と密接に関係していると考えられるので、材料の特性を改善するには、不均一なひずみ分布をマクロスケールからナノスケールに至るまで、マルチスケールで評価することが重要となります。本研究では、各種単一組織鋼および複合組織鋼について、デジタルイメージ相関法(DIC法)と呼ばれるひずみを可視化する手法を用いて評価しています(図6)。そして、優れた特性を引き出すための組織制御指針の確立を目指します。