理論的に見積もられる鉄の最高強度、すなわち「理想強度」は10~15GPa程度(断面が1mm2の線材に乗用車1台を吊すことができる強度)と言われています。しかしながら、実際に実用化されている鉄鋼材料の最高強度は、細線なら3GPa程度、板や棒材なら1GPa程度に過ぎません。もし実用材料の強度を理想強度に近づけていくことができたなら、現存のものより高高度のタワー、長尺の海峡大橋、燃費に優れ安全性の高い乗用車を作ることが可能になります。強い鉄鋼材料は、私たちに快適な生活をもたらすだけでなく、省エネルギーや低環境負荷にも大きく貢献します。それを実現するには、大学での基礎研究や人材育成がたいへん重要です。是非土山研で鉄鋼材料の基礎を学び、次世代の鉄づくりに携わっていきましょう。
※土山研の研究を遂行する上で、選択科目である「鉄鋼材料工学」の知識が必要となります。配属前になるべく履修しておくこと。
卒業生就職先 (2013~2023年度)
主な就職先
鉄鋼関係:
日本製鉄(旧 新日鐵住金、日新製鋼)、JFEスチール、神戸製鋼所、大同特殊鋼、日鉄ステンレス(旧 新日鐵住金ステンレス、日新製鋼)、山陽特殊製鋼、日鉄鋼管(旧 日鉄住金鋼管)、合同製鐵、丸一ステンレス鋼管(旧 コベルコ鋼管)
金属・金属加工:
プロテリアル(旧 日立金属)、日本精工、高周波熱錬、日本タングステン、黒崎播磨
大学・研究所:
横浜国立大学、九州大学、東京大学、岡山県工業技術センター
その他:
日産自動車、日鉄ソリューションズ、NECソリューションイノベータ、アクセンチュア、三菱東京UFJ銀行、三井三池製作所、POSCO、昭栄化学工業、トライアル
修士進学率:84%(土山研に配属された学部4年:67名中、56名が修士進学)
博士進学率:12%(土山研で修士課程(博士前期課程)を修了した58名中、7名が博士進学)
(2013〜2023年度実績)